一昔前までは、「薄毛」は男性の悩みとして取り上げられていました。
しかし、現在では女性の方も薄毛で悩むようになったと感じています。

実際私のお店に来られるお客様でも薄毛の悩みを抱えている方が増えました
薄毛や抜け毛に繋がる原因は、一体何なんでしょう?
実は、ライフスタイルの変化が大きく関わっています!
便利になった現代社会において、どのようなことが薄毛や抜け毛に関係しているのか。
また、「遺伝による薄毛は本当にあるのか?」について解説します。

薄毛になる原因を、正しく理解しましょう
遺伝は確かにある

「家系をみると、自分も薄くなるのかなぁ・・・」と心配している方は多いはずです。
確かに、遺伝はありえます。
理由は、「遺伝で髪が抜けるシステムを受け継いでいる可能性が高い」からです。

システムとは一体何なのかを解説します
薄毛や抜け毛の原因のひとつとして「男性ホルモン」が関係しています。
男性ホルモンの中でテストステロンというホルモンが存在します。
これが、抜け毛や薄毛と因果関係にあるんです。
テストステロンには、「髪が抜ける」といった情報が含まれていると思ってください。

テストステロンの情報を多く受け取ると、抜け毛が増えるというわけです
ここで勘違いしてほしくないのは、「ホルモンをたくさん所有しているから薄毛になるのではなく、それを感受する受容体があるかないかで決まる」ということです。

情報を受け取る受け皿が多いかどうかによって、抜け毛の量が変わるんです
行動に例えるなら、次のようなイメージです。
《受容体》→ 「髪が抜けるよう情報が入ったので実行しまーーす!」 「スポッ」
つまりは、受容体を遺伝的に多く受け継ぐと薄毛になりやすいというわけです。

昔から言われる「家系だから・・・」という理由は、たしかに間違ってはいないんです
女性の薄毛もホルモンが関与
女性の薄毛の原因も、ホルモンが関与している場合があります。
男性のように断定されたホルモンがあるわけではありません。
ただ、ホルモンバランスの崩れが薄毛を招いている可能性があるのは確かなんです!
ホルモンバランスの崩れの原因は様々で、断定することはできません。
例としてダイエットとストレスを挙げてみます。
ダイエット
ホルモンバランスが崩れる要因の一つに過度のダイエットが考えられます。
これにより髪に必要な栄養が行き届かなくなるため、やせ細った髪は弱々しく抜けてしまうというわけです。
ストレス
女性は男性に比べ、体へのストレス要因がたくさんあります。
成長期から更年期までのさまざまな体の変化、そして生活していく中でのストレス。
こういったことがホルモンバランスを崩す要因となります。
ホルモンバランスを整えるためには、適度な運動、良質な食事と睡眠を心がけることが大切です。
食生活の変化

男性・女性両方に言えることですが、近年の食生活の変化が薄毛に関係しています。
糖質、脂質の多い食べ物を摂る機会が増えたことにより、頭皮環境の悪化が見受けられます。

やはり、栄養のバランスが一番いい「和食」を中心にすることが理想です☆
睡眠不足

「睡眠不足」も薄毛に影響します。
睡眠に関して近年では、良質な睡眠をとれば体力上問題はないとされてきました。
髪に関しては、毛母細胞の活動が活発になる夜10時~深夜2時の間はきちんと睡眠をとることをおすすめします。
どうしても仕事で夜10時に眠りにつくことは難しいという方もいるはずです。
できるだけこの時間を意識して睡眠を摂るよう心がけはしておきましょう!
肩こり
肩が凝ると、頭への血流が悪くなります。
髪に必要な栄養素も行き届かなくなるため、じゅうぶんな成長ができません。
細く弱々しい髪は、正常なヘアサイクルを終える前に抜け落ちてしまいます。

強い髪を育てるために、健康的な体を取り戻しましょう!
喫煙
喫煙することで頭皮の血管が細くなり、血行不良が起こります。
髪に必要な栄養素をじゅうぶんに届けることができないため、抜け毛が増えるというわけです。
また、喫煙により体内で作られた活性酸素を分解するためビタミンCが消費されます。

血管を丈夫にし、血液循環を良くするビタミンCをここで無駄に消費してしまう結果になります
薄毛を気にする方はまず、タバコを控える努力をしてみてはいかがでしょうか。
カラーやパーマ

今では薬剤もかなり品質が向上し、頭皮や髪に対して刺激の少ないものがたくさんあります。
それでもゼロという訳にはいきません。
やはり少なからず頭皮や髪にはダメージを与えてしまいます。
ですが、カラーやパーマをしたからといって必ず薄毛になるということは決してありません!

アフターケアをきちんとすれば修復は可能です
ただし、過度のブリーチを繰り返し頭皮と髪に重大なダメージを与え続けることはNGです。
回数を重ねる際は、理美容師さんに頭皮に薬剤がつかないよう塗布してもらったり、頭皮に保護剤を塗ってもらいましょう。

これだけでもだいぶダメージは軽減されます
薄毛に関して間違った知識をもたない
遺伝により、薄毛になる可能性が高まることは先ほど解説しました。
人は、さまざまなところで遺伝子が引き継がれます。
ここで覚えておいてほしいことは、「遺伝に関して間違った知識を持たない」ということです。
例として、「若白髪の人は、将来ハゲない」ということを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
白髪になりやすい体質は、たしかに遺伝します。
ですが、若白髪だからといって、薄毛にならないという保証はないんです。
白髪になる原因は、メラニン色素の消滅です。
薄毛になる原因は、ホルモンバランスの乱れなどが原因になるんです。

まったく違う原因のため、「若白髪=ハゲない」ということはありません
「つむじが2つあるとハゲる」ということもありえません。
薄毛の原因に、つむじの数はまったく関係ないんです。
薄く見えてしまうのは、つむじ周辺の髪の密度が低いからです。

決してハゲているわけではありません
このように、遺伝に関して間違った知識を持っている人がたくさんいます。
正しい知識を持つことも、薄毛対策には大切なことだと理解しておきましょう。
突然の抜け毛に関して

ここまでは日に日に薄くなったり抜けたりする原因について触れてきましたが、今度は「突然髪が大量に抜ける原因」について解説していきます。

日常生活を送っている中で、ある日突然ごっそり髪が抜けるなんてこともありえるので
何が原因でそのような症状が現れるのか知って頂き、適切な対処がとれるよう参考にしてください。
この場合の抜け毛のほとんどは、「病的脱毛症」だと言えます。
病的脱毛症とは、身体に何かしらの異常がみられた場合に抜け毛が増えることを指します。
病的と名前がついていることから病気が原因になります。
その事例をいくつか紹介します!
円形脱毛症
これも病的脱毛症の一つです。
過度のストレスからなりやすく、10円ハゲのように丸く脱毛します。

私のお店に来られるお客様でもたまにみられる脱毛症です
意外と本人が気づいていないことが多いです
治療法は頭皮に注射をしたり薬を処方してもらったりとありますが、この場合は時期が来れば自然と治ることがほとんどです。
早急に治すのに一番効果的なのは、やはりストレスを解消することです。
甲状腺機能低下症
髪の毛が抜けると同時に「一日中眠い」・「だるい」・「顔がむくんできた」などの症状が現れた場合はこれを疑ってください。
円形脱毛症とは違い自然に治るものではないので、気になる症状が現れたらすぐに病院へ受診してくださいね。
梅毒
梅毒は性病の一つです。
この病気で起こる脱毛の特徴は、小さな円形脱毛症がいくつも現れるというところです。
こうした症状が現れた場合は梅毒を治療する必要がありますので泌尿器科などをまずは受診してくださいね。
膠原病
膠原病とは体の免疫が暴走することでおこる病気です。
免疫は通常病原体をやっつけてくれるのですが、それが逆に暴走することで体に異常をもたらしてしまうのです。
髪がごそっと抜けたり、抜け毛が尋常じゃないと感じた場合は疑う必要があります。
まとめ
薄毛・抜け毛の原因は人それぞれあります。
どれが原因かは、自分の生活環境を見直せばおのずと見えてきます。
育毛剤もいいですが、その前に生活環境を改善しなければせっかくの栄養も髪に行き届きません。
抜け毛の原因をしっかり確認して、正しい改善方法を実践しましょう!