- 記憶喪失になった人の記憶も取り戻せる?
- 懐かしい香りって、何かリラックスする
- 香りから思い出すことがいっぱいある!
- 勉強するときも記憶力は良くなる?
- 香りを有効に活用したい
なぜ香りは記憶に残りやすいのか、なぜ香りで記憶が呼び起こされることがあるのか興味はありませんか!
あなたも、漂ってきた香りで突然昔の記憶がよみがえったことが一度はあるはずです。
「この匂い懐かしいなぁ、昔よく〇〇してたときの香りだ」なんて思い出すと、心も安らぎます。
香りと記憶の関係性を知ることは、記憶力の向上だけでなく心身の健康にも役立ちます。
本記事を参考に、香りの魅力と効果を思う存分私生活で活用してください☆
というわけで、今回は「香りと記憶の関係性」について解説します!
香りの効果や記憶力向上のメカニズムについて理解を深めましょう
「嗅覚」は五感の中でも特別な感覚
人間には、五感が備わっています。
視覚、味覚、聴覚、皮膚感覚、そして嗅覚です。
中でも、嗅覚だけは他とは違った特別な感覚なんです。
視覚、味覚、聴覚、皮膚感覚は、大脳へ刺激が伝達される前に必ず”視床”を経由して伝わります。
ですが、嗅覚のみ大脳へダイレクトに信号(情報)が伝達されるんです!
脳を直接刺激できるため、ほかの感覚よりも記憶に残りやすく香りに対して敏感になるというわけです。
嗅覚がより優れていることは、睡眠中でもわかります
人は、眠りにつくと様々な機能が低下します。
体を休ませるためにとられる症状なので、これは致し方ないことです。
寝ていれば、視覚、味覚は機能しません。
皮膚感覚や聴覚も鈍ります。
しかし、嗅覚だけは睡眠中も機能が低下することはないんです!
寝ていても香りだけは敏感に感じ、脳で認識することができるんです!
常に休まず機能している五感は、嗅覚のみ。
最も原始的な器官と言われ、今だ謎が完全に解明しきれない特別な五感が嗅覚というわけです。
香りと記憶には深い関係性がある
先述した通り、嗅覚のみ脳を直接刺激できます。
香りの情報が記憶として残りやすいのは事実です。
日常生活の中には、必ず何かしらの香りが漂っています。
- 歯磨きをしていれば、歯磨き粉の香り。
- トイレに行けば、消臭剤の香り。
- 床屋さんに行けば、床屋さん独特の香り。
普段何気なく生活していれば、とくに気に留めることはありません。
ですが、香りの情報は嗅覚を伝って脳内へ無意識のうちに伝達されているんです。
つまり、自然と記憶されているというわけです
香りともに、情景もあわせて記憶されます。
香りと記憶は、自然と深い関係性が築かれているんです。
あなたにとって記憶に残る出来事があった場合、そのときに漂っていた香りを嗅ぐだけで、いつでも情景を思い出すことができます。
例えば、2020年に流行った邦楽曲「香水」がまさにそれです。
≪ 歌詞 ≫
別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す
君のドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ
※一部抜粋 「香水」より
「彼女とはすでに別れているのに、ドルチェ&ガッバーナの香水を嗅ぐと、3年前の記憶が今でも鮮明によみがえるんだ」といった歌詞です。
当時は何とも思わなかった香りが情景とセットで記憶されていたため、香りを嗅ぐだけで苦い記憶が蘇ってしまうというわけです
香りは、楽しい記憶・悲しい記憶・寂しい記憶・安らかな記憶、すべての記憶に結びついています。
必ずしも良い記憶のみ思い出すといったことではないので、そこは理解しておきましょう。
ここまで解説した通り、香りで記憶が蘇ることはありえます。
あなたにとって特別な思いでの中にも、「香り」という思い出が組み込まれている可能性があります。
ふとしたタイミングで、昔を思い出す香りと出会うかもしれません☆
香りを嗅ぐことにより、それに結び付く記憶や感情が呼び起こされる現象は「プルースト効果」と呼ばれ、各種の論文や研究結果で発表されています。
香りと記憶の結びつき(筆者の体験例)
ー祖母の死と向き合うー
私がまだ理美容師の見習いだった頃、出勤途中に祖母の訃報を知らされました。
入院していたとはいえ、「もうちょっとで退院できるかなぁ」くらい元気を取り戻していた最中(さなか)のくも膜下出血でした。
イチあまりの悲しみと動揺で、病院に駆け付けた時の道のりは今でもほとんど覚えていません
その後、葬儀も終わりひと段落したとはいえ、気持ちの整理は全然できないままでいました。
そんな日々を過ごしていたある日、近所の家の前をふと通りかかると、どこか懐かしく心が穏やかになるような香りがしたんです。
金木犀(きんもくせい)の香りでした。
香りを嗅いだ途端、元気だった祖母の姿が一気に思い出されたんです。
イチ元気だった頃、一緒に過ごしていた日常生活の何気ない風景でした
祖母と共に過ごした日々の中に、毎年秋口になると必ず香っていた金木犀も、いつの間にか思い出として記憶されていたんです。
香りを嗅いだ途端、気持ちも穏やかになり、心の整理も少しずつできるようになりました。
この話は『悲しみを癒すアロマについて』の記事でも、少し話しています
このように、私の場合は金木犀が特別なものとしてインプットされていたんです。
誰かと共に過ごした日々の中に特別な香りがあったとすれば、それがトリガーとなって記憶を呼び起こすことは実際にあります。
記憶喪失でも香りの記憶は残っている可能性がある
香りを嗅ぐことで、記憶喪失の方が断片的に記憶を取り戻したという事例が実際にあります。
このことからも、記憶喪失の回復に香りを嗅ぐことは有効な手段と言えます
ただし、どういった香りがその人にとって特別だったのかを特定するのは難しいところです。
家族と共に過ごした楽しい思い出には、香りの思い出も強く残っていると言われています。
あなたの思い出の香りはなんですか?
- 家族と楽しく食べた、お菓子の香り
- 旅行に行った際の、海鮮市場の香り
- 季節になると毎年訪れた、チューリップ畑の香り
- 毎日泥だけになっても楽しくて続けた野球。その時の土の香り
こういった香りが、断片的に記憶を呼び覚ます要因になることがあります
アロマが記憶力に与える影響とは
ここからは、アロマと記憶力に関するお話をします。
今回お伝えする「アロマ」というのは、植物成分100%の精油から得られる香りについてです。
脳の中で記憶力に大きく関わっているのは、大脳辺縁系に属する「海馬」です。
海馬は、記憶や空間学習能力を司る場所で、物事を覚えるのにとても大切な場所です
その海馬が何らかのダメージを受けると、記憶が飛んだり忘れてしまうんです。
ダメージとなる最大の原因は「心理的ストレス」と言われています。
ストレスを感じ続けると、記憶力を司る海馬が徐々に破壊されていくんです。
「ストレスなんて仕事で毎日感じてるよ・・・」という方はたくさんいるはずです。
この話を聞くと、「このままだと、物忘れがひどくなるんじゃ・・・」と心配になる気持ちもよくわかります。
確かに、そのままでは決して良いとは言えません
そこで活躍するのが、アロマです。
精油の香りには、心身の生理機能を整える作用があります。
ストレス解消や自律神経の調整など、様々なことを改善してくれるんです!
アロマでリフレッシュすることは、記憶力の向上に大きく貢献します。
記憶力を高めたいという人も、アロマを活用すればより良い結果が残せる可能性があります。
香りを嗅ぐことで、海馬が刺激されて記憶力がアップするという仕組みを利用しているんです
実際、小学生にオレンジスイートの香りを嗅ぎながら勉強させた結果、全体的に計算ミスや単純ミスが減ったという実験結果があります。
日頃からアロマを嗅ぎながら勉強すれば、試験のとき同じ香りを嗅ぐことで今までやってきた勉強内容を呼び起こすことも不可能ではありません。
記憶力と集中力を向上させるために、アロマをどんどん活用してください☆
アロマと認知症の関係
認知症の症状として、香りを感じづらくなることが挙げられています。
認知症にならないために、また認知症を改善するためにも、香りを嗅ぐことは脳を刺激する大切な行為です。
- 好きな香りの花を飾る
- 外の空気を吸いに出かける
- 昔好きだった料理を食べる
こういったことを継続的に続けることが、認知症の改善に効果があると言われています。
今では、医師が認知症を改善するための方法としてアロマの活用を推奨しています。
常に心地いい香りのする空間に身をおくだけで、脳が刺激され続けます。
認知症を少しでも防ぐためにも、アロマの活用は有効な手段になります。
〈まとめ〉香りで脳を刺激して記憶力を高めていこう!
香りと記憶は深い結びつきがあります。
人は、記憶に残る出来事があった場合、そのとき漂っていた香りも一緒に覚えます。
- 昔よく行った駄菓子屋さん
- 父親に連れて行かれた床屋さん
- 家族旅行で行った山寺
こういった場所には、必ず風景と一緒に特別な香りがあったはずです。
無意識のうちに、脳は記憶しているんです!
勉強する際、香りを嗅ぎながら取り組んでみましょう!
テストのときに同じ香りを嗅ぐことで、勉強した内容がクリアに思いだされる可能性はじゅうぶんあります☆
アロマは、心地よい空間を演出するだけでなく、心身を健やかな状態へ導く手助けをしてくれます。
ストレス社会で働く男性も、ぜひアロマを活用してみてください☆
というわけで、今回は「香りと記憶の関係性」について解説しました。
アロマにも少しでも興味をもってくれたら幸いです!
香りの情報は、嗅覚を伝って脳内の海馬や視床下部などに直接伝達されます。
そのため、覚えた記憶や情動と合わせて香りもインプットされやすいんです。