- 精油は飲むとより一層効果があるって本当?
- 飲める精油と飲めない精油があるの?
- 効果があるってことは、病気も治る?
- 体に良いのか悪いのか真実を知りたい
- 実際、危険性はどのくらいあるの?
アロマを楽しむようになると、精油のいろいろな使い方に興味が湧きます。
私は、トリートメントオイルや芳香剤などにして日ごろから楽しんでいます☆
いろいろな使い方を調べていると、「精油は飲用できる」という情報にたどり着くことがあります。
なかでも、「ドテラ」というアロマメーカーは精油の飲用を認めています。
「精油の飲用を勧めてるけど、本当にだいじょうぶなの?」と疑問に思ったあなたのために。
AEAJアロマテラピーアドバイザーの私が、飲用について解説します。
この記事を読めば、精油というものがどういったものなのか、飲用しても安全なのかをしっかり理解できます。
結論から先に伝えると、精油の飲用はおすすめしません。
精油を飲用するのであれば、すべて自己責任になると思ってください
その理由も詳しく解説します。
ドテラとは
ドテラは、2008年にアメリカで創設された会社です。
精油や関連商品を多数取り扱っているメーカーで、知名度もあります
ドテラの知名度がグンと上がった要因のひとつが、商品の販売方法です。
知人にドテラを紹介し、その人が商品を購入するとあなたに報酬が入ってくるという仕組みです。
これは、俗に言うネットワークビジネス(マルチ商法)です。
様々な精油メーカーが世界にはありますが、こういった販売方法をとっているのはドテラだけなんです。
精油の良さを広げながら報酬がもらえるという魅力が、知名度を一気に上げた要因のひとつだというわけです。
会員になると、ほかにも様々な特典があるようです
ドテラは精油の飲用を認めている
ドテラは、精油を食べ物や飲み物に垂らして使用することを認めています。
こちら↓
最適な摂取の方法:
・料理のハーブやスパイスの代わりとして。
・水やお茶などの飲み物に加える。
・カプセルに入れてエッセンシャルオイルを使用する。または、ソースやヨーグルトなどに数滴垂らし、料理に使用する。※エッセンシャルオイルはハーブやスパイスよりも香りが強く、有用性が高いため、大量に使用する必要はありません。調味料の代わりとして、少量をご使用ください。
※刺激や有用性の高いオイルを使用する場合は、爪楊枝の先につけ、ごく少量を使用してください。
引用元:ドテラ公式サイト
考え方としては、料理にミントを添える、ハーブティーを飲む、バジルで和えるといった感覚と同じ捉え方なんでしょう
香り付け、味わいなどを楽しむうえで、精油も同じ使い道ができると説明しているというわけです。
だからといって、特別食用の精油を作っているわけではありません。
製造方法も他社と変わらず、水蒸気蒸留法や圧搾法などで精油を作っています。
品質は他社と変わらず良質だとは思いますが、特別な精油ではないということを覚えておきましょう。
精油を飲む危険性について
精油は、植物の花、葉、木部、果皮、樹皮、根、種子などからとれる天然の液体です。
精油1kgを作るためには、ラベンダーなら100~200kg、ローズなら3~5トンもの量が必要になります。
それだけ精油は植物の芳香成分が凝縮されたものというわけです。
高濃度の芳香成分のため、原液を肌に塗布することは禁止されています。
皮膚に刺激やトラブルを引き起こすだけでなく、体内に吸収されて心身に大きな影響を与えてしまうからです
凝縮された芳香成分を口から摂取した場合、のどの粘膜や臓器を刺激し傷つける恐れがあります。
体内に入り、血液の流れで全身を巡ると、下痢、嘔吐、めまい、動悸、呼吸不全、けいれんなどを引き起こしてしまう危険性もあるんです
精油を飲むという行為は、原液を肌につけるよりどれだけ危険かがわかると思います。
AEAJ(日本アロマ環境協会)は飲用を認めていない
AEAJ(日本アロマ環境協会)は、精油の飲用を認めていません。
精油を飲用しない
AEAJでは、希釈したものであっても精油を飲むことや、ほかの食品と一緒に摂取すること、うがいに使うことをおすすめしません。
引用元:https://www.aromakankyo.or.jp/basics/safety/
精油を誤って飲んでしまった場合、口の中に精油が残っている時は大量の水で口をすすぎます。
子どもなどが飲み込んでしまった場合は、吐かせずに、すぐ医師の診察を受けてください。
受診するときは、誤飲した精油を持参するか、精油の名前と飲んだ量をメモして持参してください。
精油は親油性と呼ばれ、水に溶けにくく、油に溶けやすい性質をもっています。
たとえ野菜や飲み物に精油を垂らしたとしても、はっきり分離するんです
精油をそのまま飲むことと変わりがないため、安全とは言えないとAEAJでは認識しているというわけです。
人間の皮膚は、外部からの刺激や異物、毒物などを体に侵入させないよう、複雑な構造になっています。
そんな皮膚でさえ、精油の原液は垂らさないで下さいといわれるほど、成分が浸透しやすく体に与える影響が大きいんです。
口から直接体内に入れば、精油の刺激や影響は数倍にもなります。
体にとって危険性がある行為は、AEAJでは認めていないというわけです。
精油で病気を治すことはできない
精油を使ったアロマテラピーは、自然療法であって病気を治すための治癒療法ではありません。
インターネットで検索してみると、「腫瘍が小さくなった」、「病気が治った」などの情報が掲載されていることがあります。
しかし、精油自体に病気を治すような特別な成分は含まれていません。
病気の治癒目的で精油を使っても、意味はないんです
ただし、心身に与える効用はたしかにあります。
- リラックス
- 自律神経の調整
- 血行促進
- 筋肉のコリをほぐす
- 痛みを和らげる
- 食欲の増進、抑制 etc
サポート的な役割をアロマテラピーが担うことで、症状が緩和されることはあります。
芳香成分は、あくまでも体を健やかに保つための補助的な役割をすると覚えておいてください
口から精油を摂取しても病気は治らない
口から高濃度の精油を摂取すれば、体に与える影響が大きいため、病気の治癒に役立つと考える人もいるかもしれません。
しかし、そんなことは一切ありません。
先述した通り、精油自体に病気を治すような特別な成分は含まれていないからです。
私も数年前、癌を患った親族をなんとかしたいと思ったことがありました。
色々調べていくうちに、ある精油を舌下(ベロの下)に垂らして摂取すると、その病気が治るという情報を見つけたんです。
藁をもすがる気持ちで精油を購入し、実際に試そうと思いました。
ですが、安全性に不安があったため、私が教わった先生にまず聞くことにしたんです。
「インターネットでこういう情報があったんですが、精油は飲用してもいいんでしょうか?」と素直に聞きました
答えはNO。
「そもそも、精油は病気を治す薬ではない。それに、直接口に入れたら余計病気を進行させる可能性だってあるよ。」と言われたんです。
そこで、改めて気づかされました。
たしかに体に与える影響は大きいかもしれないけど、薬ではないんだと。
あくまでも、精油というのは心身を健やかな状態へ整えるためのサポート的な役割を担っているんだということを。
「危険が伴う行為を素人がしてはいけない。」と思い直した瞬間でした。
結局、私は精神的安定や痛みの緩和を兼ねて、芳香浴やボディートリートメントをやりました
たまに、「精油を飲んだら病気が治った。」というコメントを目にすることがあります。
ですが、実際は精油にそんな大きな力はないと理解しておきましょう。
飲用することで病気が治るなら、薬はいりません!
精油はあくまでも、体を健やかに保つためのものであると、改めて認識しておいてください。
現状日本の食品関連法や薬機法で飲用は規制できない
精油の飲用に関して、現状の日本の法律で規制はされていません。
AEAJ(日本アロマ環境協会)で注意喚起はしていますが、飲用に使っても違反になることはないんです。
現在の精油は、国の食品関連法や薬機法の枠外の「雑貨」扱いだからです。
法規制の網が掛からない状態のため、国で規制にあたることはできないというわけです。
健康になると謳って人に飲ませたとしても、法律上で逮捕されることはないんです
精油を薬機法対象品目と誤認するような効能効果を謳って販売していることもしばしばあります。
「保健機能食品」や「特別用途食品」の様な広告販売活動が散見され、薬機法、景品表示法等の法規性に違反すると思われる状況が拡大しているんです。
精油による健康被害を消費者が把握できるようにすることと、安全で質の高い精油を国民に供給できるよう、行政機関による法規制を求めているのが現状です。
〈まとめ〉ドテラは精油を飲めるといってもすべて自己責任になる
ドテラでは、精油の飲用を認めています。
だからといって、飲用するための特別な精油を作っているわけではありません。
もし、飲用するのであれば、すべて自己責任になるということを覚えておきましょう。
AEAJ(日本アロマ環境協会)では、精油の飲用はすすめていません。
皮膚でさえ原液は垂らさないで下さいといわれるほど精油成分は浸透しやすく、体に与える影響が大きいんです
口から直接体内に入れば、精油の刺激や影響は数倍にもなるので、安全性を保障はできないというわけです。
精油の使い方に関しては、さまざまな意見があります。
ただ言えることは、精油は安全に使えば、体に良い影響を与えてくれるということです。
あなたなりの観点で、安心してアロマを楽しむようにしましょう☆