\週刊SPA!に載りました/
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美容院や理容室は、感染症を防ぐためさまざまな対策をしています。
衛生面の管理(爪切り、手洗い)、使用する器具の消毒、空気感染を防ぐための適度な換気、マスクの着用など。
いろいろな観点からお客様のことを考え、できる限りの努力をしています。
これは、今になって始まったことではありません。
C型肝炎・B型肝炎ウイルス、そしてヒト免疫不全ウイルス(HIV)の対策として、ずいぶん昔から行われているんです。
ちゃんと、理美容師の規則としても定められています!
そして今、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、改めて美容院・理容室の衛生管理に注目が集まっているというわけです。(2023年現在)
「実際お店側はどういった方法で感染防止対策をしているのか?」現在の対策法を詳しく解説します。
お客様が安心して来店できるよう、わかりやすく解説します☆
エタノール消毒
ハサミは、たくさんのお客様に使用するため、衛生面はとくに気をつけています。
ハサミの最適な消毒方法としては、エタノール消毒です。
専用の容器にエタノールを浸し、ハサミを入れて10分以上消毒します。
これにより、感染源を完全にシャットアウトすることができるんです
が、しかし・・・。
実際、この方法でハサミを消毒しているお店はあまり見かけなくなりました。
営業中にハサミをエタノールに浸けて10分以上も待つなんてことは、今の理美容業界では非現実的だからです。
私が修行していた頃は、この方法でハサミを消毒していた優良店がいくつもありましたが、今は見かけなくなりました
現在の理美容業界で一番用いられている消毒法は、エタノールを染み込ませた布で拭きとる方法です。
理由は、時間もかからず手っ取り早く消毒できるからです。
この消毒法の最大のメリットは、お客様ごとにすぐ消毒できるということです!
簡易的な方法ですが、小まめに拭き消毒することができるので、感染防止には有効な手段になります。
洗剤で道具を洗う
毛払いブラシ、ブロー用ブラシ、くしなどは、洗剤に漬けて歯ブラシのようなもので細かく洗い流します。
消毒する際にも、洗えるものはきちんと汚れを落としてから消毒しています!
人に触れる道具も感染対象になるため、きちんとした対策が必要なんです。
※道具だけでなく手洗いも小まめに行い、お客様の不安を取り除く努力がより一層求められています。
煮沸消毒
ほとんどありませんが、血液がついたハサミの場合は汚れをきちんと拭きとった後に煮沸消毒を行います。
その後、エタノールで消毒し血液を除去します。
理容業に従事している場合、とくに感染症に注意しなければいけない道具がかみそりです。
お客様の肌に直接触れるため、常に感染に気をつけ、小まめに消毒しなければいけません
ひげそりの場合、血が出ることもあるので、煮沸消毒が有効な手段になります。
かみそり専用の煮沸消毒器にかみそりを入れ、沸騰してから2分以上煮沸し殺菌します。
かみそりの刃は、現在替え刃になっているので小まめに交換することができます!
衛生面でも安全になり、血も出にくいため感染症を防ぐ有効手段になりました
蒸気消毒
専用の蒸し器を使用して、80℃以上の蒸気で道具を消毒する方法です。
現在、この方法で消毒を行っているお店は正直見たことがありません・・・。
ひと昔前の消毒法だからです
消毒方法は、日々進化しています。
お店ごとに最適な消毒法を行っているのが現状です!
理容室の場合、お顔そりに蒸しタオルを使います。
「タオルスチーマー」という器具にタオルを入れ、蒸気で温めます。
これは、ただ温めるだけでなく消毒の意味もあります。
設定温度は変えることができるので、80℃以上にして消毒も可能です
マスクの着用
理容師は、お顔そりなどでお客様に接近する場合、マスクの着用が義務付けられています。
接客業はマスクを着けたままの対応は好ましくありませんが、場合によっては常時マスクの着用を行っています。
美容院でマスクの着用が今まで見受けられなかったのは、スタイリッシュに仕事をするためです。
あとは、マスクの接客対応が好ましくないとされていたからです
しかし、今では接客業もマスクを積極的につけるようになりました。
相手を不快にさせないためにも、世間の情勢に合わせて対応することが重要になったからです。
2020年、マスクを着用せずに接客していたことで、組合事務局へクレームが届いたという報告がありました。
理美容師は常に衛生面に配慮しなければいけないため、このようなことがないよう常に気を配って接客していく必要があります。
〈捕捉〉マスクに慣れない人はアロマをつけるとGood
マスクをつけ慣れていない方は、アロマで香り付けすると気持ちがいいです☆
リラックスできるうえに、抗ウイルス作用のある精油を使えばウイルス対策もできます!
ティートゥリー・ユーカリ・ラベンダー・ローズマリーなどの精油が抗ウイルス作用があります
光触媒によるウイルス除去
店舗内のあらゆる場所に吹きかけ除菌できる、光触媒スプレーというものがあります。
光触媒は、簡単にいえばコーティング剤のことです!
コロナウイルスへの効果が実証されたため、あらゆるところで使用されるようになりました。
例 電車内、バス、飲食店、理美容室、学校など
以前は、業者に依頼して施工してもらう必要があったため、結構お金がかかったんです。
それが今では、1万円以下で個人も購入できるようになりました☆
店舗、自宅、車、どこでも除菌消臭できるので、あなたにもおすすめできる感染症対策です
換気について
店舗内は密閉空間になるため、空気感染が起こりやすい場所になります。
その為、お店ごとに換気を常に心がけています。
私のお店の場合、敷地面積は小さいものの換気扇が二か所あります。
常に空気を循環するよう心がけています!
その他では、窓を開けて定期的に換気しているお店もあります。
お店ごとに最適な換気方法で、空気循環を良くしているんです。
あなたが通っているお店に、そのような換気が見受けられなかった場合は、感染症が流行っている時期は避けたほうがいいかもしれません。
また、アロマディフューザーなどを使用して、空間に抗ウイルス作用のある香りを広げることも有効です。
実際多くの医療機関ですでにディフューザーが幅広く使用されていて(待合室など)、その効果を実感しています☆
私のお店も、香りを広げています
紫外線消毒器について
紫外線消毒器とは、紫外線灯が内部に設置された消毒器のことです。
主にハサミなどの消毒に使われるもので、85μw/cm²以上の紫外線(紫外線量1700μw以上)を20分以上照射することで消毒できます。
紫外線が当たらないような複雑な構造をした器具の場合、向きを変えて再度照射しなければいけません。
手間と時間が相当かかってしまうため、現在使用している店舗は限りなく少なくなりました・・・。
今は、ほかの方法で手早く器具の消毒を行っていることがほとんどです
最後にみなさんへ
店舗に2人以上の技術者がいる場合、一人は必ず管理美容師・管理理容師の資格を有していなければいけません。
この資格は、衛生面の管理をするために設けられた資格です。
従って、複数の従業員を抱えているお店では、必ず衛生管理者として誰かが衛生面の指揮をとっているはずです。
しかし、正直なところこれまで挙げた感染予防の対処法をすべてきちんとしている店舗は少ないかもしれません。
いや、ないかもしれません。
こうなったのも、現在では感染症の事例がなくなったからだと私は思っています。
完全なる傲り(おごり)で、今の怠慢が生まれているとしか思えません。
ですが、新型コロナウイルスの影響を受け、理美容師の考え方は改まっています!
いや、改めなければいけません。
人と人の濃厚接触が避けられない以上、お客様が安心して来店していただけるようできる限りの感染症対策を施していきます。
不安に思うことがあれば、どんどん理美容師に意見してください!
それが衛生面を正す近道となるはずです☆
これからも、みなさんの憩いの場として、美容院・理容室が存在できるよう努力していきたいと思っています!