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- こどもの笑顔は宝物
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「髪を伸ばしたけど、ただ切るだけじゃもったいない」と思っている方はたくさんいます。
「何か役に立たないか理美容師に聞いてみよう」とお店に足を運ぶ人も少なくありません。
「髪を寄付したいんですが、できますか?」とお客様に言われたとき、髪を切るプロとして理美容師は適切な対応を取りたいものです。
髪を寄付する場合は、主に抗がん剤治療で髪が抜けたこどもや脱毛症のこどもへウィッグ(かつら)として提供されます
善意と大切な髪を無駄にしないために、今回は「ヘアドネーションできる髪の条件と正しい切り方」について解説します。
お客様が安心して髪を提供できるよう、理美容師は事前知識としてぜひ覚えておきましょう!
※ヘアドネーションの知識は、今後独立したときにも役立ちます。
ヘアドネーションとは
ヘアドネーションとは、抗がん剤治療で髪が抜けたこどもや脱毛症のこどもなどへ、ウィッグ(かつら)を作成し無償で提供する活動です。
一般の人が髪を提供して、ウィッグを作ってもらう慈善活動です
安いウィッグは、いかにもかぶっている感が出て違和感しかありません。
結果、帽子をかぶって頭を隠しているこどもが大半です。
医療用ウィッグは、こどもの頭に合わせてオーダーメイドで一つ一つ作り上げます。
そのため、ウィッグを通常オーダーするととても高額になります。
こどもへじゅうぶんな治療を受けさせたい親御様にとって、ウィッグの費用は重くのしかかります。
こどもの心のケアを大切にし、無償でウィッグを提供しようと活動しているのがヘアドネーションというわけです。
無償で髪を寄付することが前提なので、「お金がもらえるわけではない」ということをお客様に伝えましょう!
ヘアドネーションできる髪には条件がある
ヘアドネーションできる髪には条件があります。
下記は、ヘアドネーションとして使える髪の毛です。
ヘアカラー、パーマ、縮毛矯正などをしていても、過度にダメージを受けていなければ問題ありません!
ヘアドネーションに使えない髪は、次の3つになります。
なぜ寄付できないのか、説明できるよう下記を参考に覚えてください
濡れた髪
濡れた状態の髪は、雑菌の繁殖やカビの発生につながります。
せっかく寄付しても、衛生面からウィッグとして使えない場合があります。
濡れた髪はしっかり乾かし、乾燥した状態でカットしてから郵送しましょう。
31cm以下の髪
医療用ウィッグは、全頭ウィッグが基本です。
髪が31cm以下だと、頭全体を覆うための長さが足りません。
31cm以下の髪を送っても、医療用ウィッグに使うことはできないので注意しましょう。
31cmは、カットする箇所から毛先の一番長いところまでを基準にしてください。
31cm以下の髪が混ざっていてもOKです。
31cmに満たしていない髪は、選別したのち理美容師のヘアカット用ウィッグなどに使用されます。
極度のダメージヘア
医療用ウィッグは、かぶって違和感のない自然な仕上がりが大切です。
髪質や色合いを統一するため、制作過程でトリートメント処理を行います。
引っ張るとちぎれてしまうような極度のダメージヘアは、トリートメント処理過程で使えない状態になる可能性があります。
明らかにダメージを受けすぎている髪は、ヘアドネーションできないので気をつけましょう。
ヘアドネーションのための髪の切り方(手順)
全国には、「ドネーションカット対応店」というものが存在します。
リーフレットの配布、募金箱の設置、ヘアドネーション活動に賛同し、協力していただいている理美容室のこと
ドネーションカットを熟知しているお店はありますが、必ず対応店でカットしなければいけない決まりはありません。
どの理美容室でも、ドネーションカットはしていいんです!
なので、私たち理美容師が正しいカット手順を理解していなければいけません。
いつでもドネーションカットができるよう、ここで覚えておきましょう。
髪は必ず乾いた状態
ドネーションカットは、髪が必ず乾いた状態で行いましょう。
濡れた髪は、雑菌やカビが繁殖します。
郵送しても使えない場合があるので、濡らさずそのまま作業に入ります。
カットする髪をゴムで結ぶ
まずは、ヘアカットしたあとの髪型をお客様と相談します。
希望の髪型が決まったら、ヘアドネーション用にカットする髪をゴムで結びます。
毛束の太さに決まりはないので、カットしやすい太さにしてください。
ゴムをとめる場所は、カットする箇所により少し下がベストです。
ゴムの1~2cm上をカット
すべての髪をゴムで結び終えたら、カットします。
カット位置は、ゴムを止めた位置から1~2cm上がベストです。
必ずというわけではないので、目安として覚えておいてください。
記念にカットしてみたいというお客様もいます。
手を切らないよう注意し、目安となる位置でカットしてもらいましょう!
ゴムをつけたまま一束にまとめて終了
すべての髪を切り終えたら、一束にまとめます。
ゴムは外さないでください。
まとめた髪は、ビニール袋やジップロックに入れてそのまま持ち帰ってもらいましょう。
髪を整えるためのカット料金は頂く
ドネーションカットしたお客様の髪は、切りっぱなしの状態です。
最後はきれいに整えて、お客様に満足してもらいましょう。
髪を整えるためのカットは、通常のヘアカット料金を頂いてOKです。
ドネーションカットは、基本どこのお店も無償で行っています。
その後のヘアカット代金のみ頂くのが通常です。
お店のカット料金は決まっているので、正規の値段をもらいましょう!
髪はお客様個人で送ってもらう
ヘアドネーションのためにカットした髪は、お客様個人で郵送してもらいます。
ゆうパックやレターパックが一般的です。
送り先は、Japan Hair Donation & Charityがおすすめです。
Japan Hair Donation & Charityは、下記の髪すべてを採用してくれます。
- 乾いた状態の髪
- 31cm以上の黒髪
- 31cm以上の白髪
- 31cm以上のヘアカラーした髪
- 31cm以上のパーマした髪
- 31cm以上の縮毛矯正した髪
髪質が不安だけどヘアドネーションしたいというお客様には、Japan Hair Donation & Charityをおすすめしてください。
〈まとめ〉こどもの明るい未来のために協力しよう!
ヘアドネーションは、髪の無いこどもへウィッグを提供するだけではありません。
こどもの笑顔を取り戻すことができます。
がんばって治療に励んでいるこどもの明るい未来のために、理美容師も手を差し伸べましょう!
あなたの身近にも、ヘアドネーションを考えている人は必ずいます。
正しい知識を身につけておけば、いざというときスムーズに対応できます。
今回の記事を参考に、理美容師としての活躍の場を増やしていきましょう。
というわけで、今回は「ヘアドネーションできる髪の条件と正しい切り方」について解説しました。
当ブログでは、理美容業界に関するさまざまな情報を発信しています。
理美容業界に悩みや疑問がある方は、ほかの記事もぜひ参考に読んでみてください。