夢に向かって理美容師の資格を取り、いざ理美容師デビュー。
華やかな未来を想像しながら、仕事に励んでいる理美容師はたくさんいるはずです。
アシスタントとして一生懸命働いている人の中には、思いがけないアクシデントで夢をあきらめてしまう方もいます。
その原因のひとつが、「手荒れ」です。
私の周りでも、ひどい手荒れで辞めていく人を何人も見ました・・・。

同期が辞めていくことは、かなりのショックでした
下積み時代の天敵は、手荒れです。
手荒れを乗り越え、立派な理美容師になるまで頑張りましょう!
というわけで、今回は「理美容師の手荒れ対策とケア方法」について解説します。
この記事を読めば、手荒れで夢をあきらめることはなくなります。

肌が弱い人は、ぜひ参考にしてください!
手荒れの原因
理美容師の仕事上、どうしても避けられない手荒れの原因がいくつかあります。

その原因をまずは知っておきましょう
水仕事
理美容師の手荒れの原因第1位は、なんといっても水仕事の多さです。
若い子が手荒れに悩むのは、アシスタントとしてはじめて仕事に就けるのが洗髪(シャンプー)だからです。
忙しければ、一日中お客様の髪を流し続けなければいけません。
お湯は水よりも油分を洗い流す力があるため、過度に水仕事をしてしまうと手に必要な油分を失ってしまうんです。

シャンプーの洗浄力も原因になります・・・
今まで手荒れをしたことがない人でも、あっという間に手がガサガサになってしまうというわけです。
肌が丈夫な人でも、乾燥しやすい冬時期になると一気に手荒れがひどくなる傾向があります。

実は、私がそうでした
空気の乾燥も、気をつけなければいけない重要なポイントになります。
カラーやパーマ剤
髪の色や形を変えられるほど強い薬剤なので、手につけば肌荒れの原因になるのは明白です。
一度や二度ならまだしも、理美容師はほぼ毎日カラー剤やパーマ液を使います。
これが刺激となり、手荒れを引き起こしてしまうというわけです。

ひび割れた傷口に入ると、すごく痛いですし・・・
刺激のあるカラー剤・パーマ液・シャンプーがセットになることで、手荒れをより加速させてしまうのが現状です。
睡眠不足とストレス
理美容師は、技術を身につけなければ仕事として成り立ちません。
夜遅くまで練習したり、休みの日でも講習会に参加したりと、体を休める暇がなくなってしまいがちです。

「若いから大丈夫!」と思っていても、体は睡眠不足やストレスを敏感に感じているんです
通常、人の体は睡眠時に傷んだ皮膚の修復を行います。
睡眠不足になると、肌の修復に必要な時間が削られることになるんです。
結果、肌のターンオーバーが正常に行われなくなるため、ガサつきが生まれるというわけです。
また、ストレスは自律神経を乱してしまうため、回復する働きそのものが不調になります。

回復能力が低下すれば、もちろん肌はガサガサのままだというわけです
手荒れに直接関係はしませんが、肌の回復の観点からみると、とても重要な要素だということを覚えておきましょう。
食生活の乱れ
理美容師の日々は忙しく、規則正しい食事をとること自体難しくなります。
時間をかけずにさっと食べられるものに偏ったり、夜遅く帰ってきてからコンビニ弁当を食べたりと、食生活が乱れがちになります。
食生活が乱れると、スキンケアに重要な栄養素であるタンパク質やビタミンの欠如がおこります。

これが、肌荒れを引き起こしてしまう原因というわけです
食べ物から摂取する栄養は、心身を健康に保つためには必要不可欠なものです。
手荒れを防ぐためにも、重要視しなければいけない項目になります。
手荒れ対策とケア方法を解説
手荒れになる原因を知ったうえで、今度は適切な対策とケア方法について解説します。

おすすめの手荒れ対策も紹介するので、参考にしてください
手袋をつけてシャンプーする

理美容室によって許可されているのか違いがありますが、手荒れ対策としては最も効果があります。

手荒れの一番の原因は水仕事なので、手袋をつけるとつけないとでは大きな差が生まれるからです
ただし、手袋をつけてシャンプーするのには大きなデメリットがあることも知っておいてください。
まず一つは、お湯の温度を感じづらいことです。
温度調節が難しくなるため、お客様にやけどを負わせないよう、細心の注意が必要になります。

お店が一定の温度に設定していれば問題ありません
もう一つは、ゴム製の手袋のため髪が引っかかりやすいということです。
髪を引っぱるため、お客様にストレスを与えかねません。
最後に、お客様が手袋で洗われること自体不快に思うということです。
手袋と手では、明らかに当たり心地が違います。
気持ちよくシャンプーしてもらいたいお客様にとっては、手袋をしないでほしいというのが本音だということは理解しておきましょう。

手荒れ対策も重要ですが、お客様を不快にさせないことが一番大切です
手袋のおすすめな使い方
私がおすすめする手袋の使い方は、カラーやパーマをはじめに流す作業のところだけつけるということです。

薬液を流すときだけつけ、その後は外してシャンプーをします
お客様も、そのくらいならストレスを大きく感じることはありません。
何より、大量の薬液から手を守ることができます!

手袋を使う際は「薬液を流すところまで手袋をつけさせてください」と一言かけてから流しはじめましょう!
お客様も「手荒れ防止のためなのかな。じゃあ仕方ないね」と気持ちを察してくれるはずです☆
お客様の気持ちを考えたら、常に手袋をしてシャンプーされるのは嫌なはずです。(個人的に・・・)
せめて、カラー剤やパーマ液を流すときだけはつけるようにしてみましょう♪
テープ(保護フィルム)を手に貼る【おすすめ】
先ほども言いましたが、手荒れ対策に一番効果的なのは水仕事から手を守ることです。

その点に関して、手袋はかなり効果的です
ただし、常に手袋をつけて仕事をするわけにはいきません。
そこで私がおすすめするのは、水洗いから手を守る「保護フィルム」を貼ることです。

薄い膜のテープのため、指に巻いてシャンプーしてもお客様に気づかれることはありません。
温度も感じられ、素手で洗うのと何ら感覚も変わりはないんです!
絆創膏を貼ると、お客様に触れたときに気づかれてしまいます。

ガサガサするので、気持ちのいいものでもありません
水仕事に強い素材のため、はがれずしっかり手を守ってくれます。
好きな大きさにカットして使えるうえに、はがれたらすぐ新しいのに張り替えられるので、とても便利です☆

私もよく使っています!



お客様の顔まわりや首周りに傷やできものがあった場合、テープを貼ってシャンプーすれば染みることもありません☆

ドラッグストアに行けば普通に売っています
手荒れを防ぐためにも、ぜひ使ってみてください☆
ハンドクリーム
手荒れ対策として、ハンドクリームをつけることも有効です。
一日の終わりにつけて、乾燥から手を守りましょう。

ハンドクリームを塗ったあと、布製の手袋をして就寝すればより効果的です!
ただし、ハンドクリームは成分をよく確認してから使用してください。
手荒れ用のハンドクリームには、硬くなった肌や皮膚を柔らかくするため、尿素が配合されているものがあるからです。
手荒れがひどい方やアトピー肌の方は、尿素が刺激となって痛みを感じてしまいます。

先輩がよく尿素の刺激に悩まされていたので、よくわかるんです
そんなときは、セラミド配合のハンドクリームを使用しましょう。
尿素配合と同等か、それ以上の保湿効果があります♪
少し値段は高くなりますが、手を守るためには必須のアイテムになります。

ドラッグストアに置いてあります
睡眠不足とストレスの解消
「睡眠不足の解消って言われても、夜遅くまで練習するからできないよ!」という方もたくさんいるはずです。

たしかに、練習を早く切り上げてくださいとは言えません
そういった場合は、短時間でも良質な睡眠をとるよう心がけることが大切です。
短い時間でも、質の良い睡眠を取れれば成長ホルモンがしっかり分泌されます。

つまり、肌の修復もじゅうぶんできるというわけです!
良質な睡眠は、いかに深い眠り(ノンレム睡眠)に入れるかどうかできまります。
長く眠ったからといって良質な睡眠とは言えないんです。
入眠してから3時間の間に深い眠りに入ることができれば、それが良質な睡眠となり、脳も体もゆっくり休んだと感じられます☆

いかに深い眠りに入れるかが重要なんです
※アルコール・カフェイン・ブルーライトは、浅い眠りに繋がります。

寝る前に温かいものを飲みたい場合は、リラックス効果の高いハーブティーもおすすめです
ストレスの解消には、やはり趣味を持つことが一番です。
あなたが楽しいと思えることを見つけ、そこに時間を費やしましょう☆
食生活の改善
簡単に食事を済ませるにはファストフードが一番ですが、それだけでは栄養に偏りが生まれます。
タンパク質やビタミンを効率よく摂取するためには、バランスのいい食事が重要になります。
ベストな食事は、「和食」です。

時間がないからと、脂っこいものばかり口にするのではなく、栄養のバランスも考える努力をしましょう
手荒れで辞めなくてもいい時代へ
私が新人だったころに比べると、手荒れ対策商品や薬がたくさん販売されています。
お店によっては、シャンプー時に手袋をはめて施術することもできます。

肌荒れ対策をきちんと考えてくれるお店も増えました!
理美容師を長く続けてほしいという業界の動きなのかもしれませんが、とても恵まれてきたと個人的には思います☆
アトピー肌の方や乾燥肌の方は、どうしても手荒れがひどくなるかもしれません・・・。
それでも、皮膚科できちんと薬を処方してもらいながらケアすれば、きつい冬時期もきっと乗り越えられるはずです!

オーナーともしっかり話し合って、最善の対策を探しましょう
手荒れで理美容師の道をあきらめるような時代ではなくなりつつあります。
ケアの仕方をしっかり理解し、これからも仕事に励んでほしいと心から願います☆
まとめ
今回は「理美容師の手荒れとその対策予防 」について解説しました。
職業柄、少なからず手荒れはします。
それでも、きちんとした対策と知識を持って取り組めば、最小限に抑えることができるはずです。

夢をあきらめずに、これからも一緒にがんばりましょう
ハンドクリームがついているとはがれやすくなるため、手が乾いた状態で貼ってください。