あなたが行きつけにしている美容院や理容室で、クラスター(集団感染)が発生したとします。
あなたは、最悪なことにその場にいて感染してしまいました・・・。
そうなったとき、まずどんなことが頭をよぎりますか?
- 「誰が原因だよ!」
- 「補償は誰がしてくれるんだ!」
- 「家族にうつしたかも・・・」
- 「仕事休まないと・・・」
- 「収入が減ると生活が・・・」
治療に関しては、専門医療の方に頼れば最善の処置をしてくれます。
しかし、感染した後どのような生活が待っているのか不安にもなります。
そこで、今回は「クラスターが起こった場合、その後どうなるのか?」について、お客様目線とお店側目線で解説します。
いつ誰がクラスター(集団感染)に巻き込まれるか分からないので、今回の記事を参考に心構えと知識を身につけておきましょう!
お客様の場合

理美容室でクラスターが起こった場合、感染したお客様はどうなるのかについて解説します。

事前知識として、知っておきましょう
お客様に補償はない

お店を訪れたあなたが感染してしまった場合、感染源が従業員だとしても確かな補償はないと思ってください。
風邪をうつされたら、お店側に治療費の請求をしますか?
新型コロナウイルスの感染に関しても、感染病は誰でもうつり得るものだとひとくくりにされているため、そこまでの補償はないんです。
ただし、お店側に補償の義務がなかったとしても、治療費などの請求はできる可能性があります。
- 明らかに体調がおかしいのに出勤させていた
- 社内での体温検査等を怠っていた
- マスクをしていなかった
- しゃべり過ぎ
明らかにお店側に負がある場合は、治療費などの請求をしても良いと思います。
これは法律で定めらているわけではないので、お店側がどう判断するかが重要になります。
責任を感じ、個人的に対応してくれるかもしれませんし、対応してくれないかもしれません。

結局のところ、確実な補償はないということです
損害責任補償共済について

理美容組合に加入しているお店の場合、任意の損害責任補償共済に入っている場合があります。
これは主に、お客様に何かしらのトラブルがあった場合に支払われる補償共済です。
- ハサミでケガを負わせてしまった
- やけどをさせてしまった
- 皮膚炎を起こした
- 衣類を汚した
- お店の不備でケガをさせた etc
今回のクラスターに関しての明記はされていませんが、今後損害責任補償共済に適用されるかもしれません。
とにかく、「お店が組合に入っているか」「損害責任補償共済に加入しているか」がカギになります。

通っているお店に確認してみるのも一つの方法です
家族や近親者に感染のリスク

あなたが感染してしまうと、身近の人にまでうつしてしまう可能性があります。
子供は学校を休まなければいけなくなり、いじめの対象になるかもしれません。
お年寄りのご家族がいれば、重症化のリスクもあります。
身の回りの環境が一気にガラッと変わってしまう可能性があるということを理解しておきましょう。
仕事を休むことによる収入減

感染してしまった以上、完治するまで仕事は休まなければいけません。
あなたが一家の大黒柱だった場合を考えると、収入の減少は大きな痛手になってしまうことでしょう。
給料の保障がある方はいいかもしれませんが、日給月給の方はより大変になります。
感染による家計の圧迫があることも、しっかり理解しておきましょう!
お店側の場合

自分のお店でクラスターが起こった場合、その後どうなるのかについて解説します。

感染症予防を徹底するためにも、今一度確認しておきましょう
お店は休業

お店でクラスターが起こった場合、直ちに休業しなければいけません。
従業員の感染の有無や、感染した方の回復を待つ必要があります。
その間は一切の営業をできないため、最低でも1週間以上の休業は覚悟しておく必要があります。

休んでいる間は売り上げが0になるので、もどかしい日々が続きます・・・
消毒業者に入ってもらい完全消毒(現在は個人での消毒もOK)

一度クラスターが発生した場所は、消毒作業を行わなければいけません。
保健所の指示はないため、ペストコントロール協会※や消毒業者などに自分で問い合わせて消毒してもらう必要があります。

ペストコントロール協会は47都道府県すべてにあります
※2022年12月現在、個人での消毒作業も認められました。
費用や日数は店舗の広さによって変わるため、確かなことは言えません。
しかし、支払う費用は必ず発生します。
これはお店側の自己負担なので、かなり大きな痛手となります。
不安な方は事前に業者へ問い合わせをして、金額の確認をしましょう。
※混み合っていると電話対応にも時間がかかる場合があります
最近では、予防対策として光触媒でのコーティングが注目されています。
お客様の減少による収入減

クラスターで怖いのは、感染の拡大ともう一つ「収入の減少」です。
休業による収入の減少は当たり前ですが、問題は営業を再開してからだと個人的には感じています。
- 「あそこのお店クラスターが発生したんだって・・・」
- 「再開したらしいけど、まだ行くのはちょっと・・・」
- 「休んでいる間に違うお店を見つけたからいいや」
- 「不衛生なうわさがあるからやめようかな・・・」
イメージを悪くする情報やうわさが一度広まってしまうと、お店の信頼は失われます。
何より、お客様の足が遠のいてしまうんです。
営業を再開したからといって、すぐ収入が元に戻るわけではないというわけです。
ちなみに、私の知り合いのお店(同業者)では、2020年5月にお客様が感染していたことを受けて、自主休業しました。
約1か月休業した後お店を再開したんですが、12月になっても客足は100%には戻っていないとのことです。
自分のお店から感染者が出ていないとはいえ、一度休業してしまうとなかなか客足が戻らないという現実を実感させられた瞬間でした。
クラスターが発生してしまった場合は、長期的な収入の減少が見込まれるということを覚悟しておきましょう。
最悪、廃業の危機に陥る

2020年12月時点で、新型コロナウイルス関連によって廃業倒産した法人・個人事業主が約800件あります。
今後まだ増えていく可能性はありますが、クラスターを起こした場合はなおさら破綻の危機に陥るかもしれません。
せっかくここまで頑張ってきたお店を、たたまなければいけなくなるんです。
どんなに苦しいことでしょう・・・。
実際に廃業倒産に追い込まれているお店があるという事実は、知っておくべきです。
美容院や理容室は休業要請の影響を受けることがなかったため、倒産廃業数はそこまで増えていません。
しかし、ネイルサロンやエステサロンのような美容業界は、休業要請により収入が減少し破綻に追い込まれたお店が多数見受けられます。
まとめ
美容院や理容室でクラスターが起きた場合、お客様とお店側どちらにせよ大きな補償はありません。
全て自己責任を負わなければいけなくなります。

何より収入の減少はかなりの痛手になります
最近では、どこに行っても消毒、除菌、飛沫の防止を心がけています。
それでも、未だにマスクをつけずに外を出歩いている人をたびたび見かけます・・・。
「自分は大丈夫!」ではなく、周りを巻き込まないための一人一人の努力が必要です。
クラスターは、「いつ どこで 誰が」巻き込まれるかわかりません。
もし美容院や理容室でクラスターが起こった場合どうなるのか?
今回の記事を参考に、覚えておきましょう。
実際、いじめや誹謗中傷で転向を余儀なくされた児童や、転職を余儀なくされた社会人の方がいます。