乳歯が抜ける前に、歯茎の内側から永久歯が生えてくる子供が年々増加しています。
「歯になんか挟まっていると思ったら、歯だった!」と言われて、驚いた親御さんもいるのではないでしょうか。

「なんで、そんな生え方したんだろう?」と心配しているはずです・・・
原因は、さまざまあります。
- ほおづえ
- 指しゃぶり
- よく噛んで食べない etc
なかでも、最近の子供に増えている原因が「あごの狭さ」です。
あごが狭いことで、永久歯が真上に生えてくるスペースがなく、歯茎の内側や外側に生えてきてしまうというわけです。
もし、そのように永久歯が生えてきてしまった場合、どういった対処が正しいのか?
今回は、「乳歯が抜ける前に、永久歯が生えてきてしまった場合の対処法」について解説します。

不安に思っている親御さんへ、参考になれば幸いです
結論から先に言うと、変なところから永久歯が生えてきても、元の位置に戻すことはできます。
なので、まずは焦らず歯科医師に相談してください!
最近の子供は、あごが狭い
乳歯は永久歯よりも小さいため、あごが小さいお子様でも歯がきれいに並びます。
しかし、永久歯は大きいため、十分なスペースがないとうまく真上に生えてくることができません。
出てこられる場所がない結果、抵抗も少なく生えてきやすい、歯茎の内側や外側に向かって成長するというわけです。

決して、初めからその向きに生えてきているわけではないんです!
つまり、子供の体が成長すれば、そのようなことはもう起こらないというわけです。
ほおづえや指しゃぶりなどの故意的な行動で、歯の生え方が変わることもあります。
食事をする際は、よく噛みあごの発達を促すことが大切です。
前歯の内側(後ろ)によく出る
歯茎の内側に永久歯が生えてくることが一番多い場所が、「下の前歯」です。

比較的生え変わりの時期が早いため、あごの成長が間に合わないことが多いからです

また、他の場所でもこのような症状が現れる場合があります。

このまま永久歯が生えてきて、乳歯がグラグラしない場合は、抜いたほうがいい場合もあります。
その際、永久歯が元の場所に収まるだけのスペースがあるか確認し、医師と相談して抜歯をしましょう。
乳歯がグラグラしていたら、自然に抜ける可能性があります。
その場合は、少し様子をみてみるのもいいかもしれません☆
出てきた歯も、よく磨くこと!
歯茎の内側や外側に生えてきた永久歯は、お子様にしたら違和感があります。
舌で触ったり食事をすることで、汚れも付きやすくなります。
磨きにくいですが、きちんと歯磨きすることが大切です。
場所は異なりますが、出てきているものは紛れもない永久歯です。
乳歯が抜けるまで口の中を清潔に保っておかないと、歯茎にばい菌が入ることがあります。

膿がたまると、口臭がクサくなるので注意しましょう!
放っておくと虫歯になってしまう恐れもあるので、親御さんも協力して歯磨きするなど、各家庭で対処してください☆
歯磨きが楽しくなる歯ブラシを使うのもひとつの方法です。
内側や外側に永久歯が生えてきた場合の対処方法
永久歯が内側や外側に生えてきた場合、その状況・状態により対処方法が変わってきます。
医師の判断が重要になるので、信頼できる歯科医師に診察してもらいましょう。
ちなみに、「矯正歯科医院」というものもあります。

歯並びが気になる方は、そちらで診てもらうもの一つの方法です
万が一、歯並びが直らなくても、そのまま矯正治療をはじめられます。
乳歯を抜く(抜歯)
乳歯は、永久歯が生えてきたときのスペースを確保する役割があります。
乳歯の場所取りが重要なので、よく観察してから抜くようにしましょう。
十分なスペースが取れていない段階で乳歯を抜いてしまうと、永久歯が列にきれいに収まることができなくなります。

結果、歯並びが悪くなります
だからと言って、いつまでも様子をみているのもよくはありません。
永久歯が頭を出しているのに、いつになっても乳歯がグラグラしない場合は、乳歯が残り続けて二枚歯のように成長してしまう可能性があるからです。
そのようになると、永久歯をもとの場所に戻すことが難しくなります。
親御さんが常に観察し、いつになっても乳歯の根が溶けずグラグラしてこない場合は、時期を見て抜くことを考えたほうが賢明になります。

全てはタイミングが重要なので、まずは定期的に歯科医に診てもらいましょう!
グラグラしていたら、自然に抜けるのを待つ
永久歯が生えてきたとき、乳歯がグラグラしていた場合は「自然に抜け落ちる生理的現象」が起きるのを待ちましょう。
自然と乳歯の根が溶け、抜ける可能性が十分にあるからです。
この場合も、一度歯科医師と相談してから様子を見るようにしましょう!
顎(あご)を広げる治療をする
子供の場合、あごが狭いために歯並びが悪くなる場合があります。
対処方法として、あごを広げて歯並びを矯正をすることもあります。

永久歯が正しい列に戻るスペースが、どうしてもない場合に行う処置です
将来的にきれいな歯並びにするための処置なので、子供の頃に治療したほうが効果があります。
骨の成長時期に矯正すると、歯の移動が容易なためです。
「顎を広げる治療」は、矯正歯科医院へ行き医師とよく相談したうえで行うことをおすすめします。
※事前にいろいろな処置を試したうえ、最終的に判断する治療法だと思ってください。
お子様が寝ているときに歯ぎしりをする場合は、「かみ合わせの不具合」が考えられます。
上下の歯がうまくかみ合わないために歯ぎしりをする場合があるので、気になる方は医師に相談しましょう!
内側に生えても舌が押してくれるため、元に戻る
永久歯が歯茎の内側に生えてきた場合、放っておいても元の位置に戻る可能性があります。
乳歯が抜けたのち、舌が歯を押し出すからです。

前歯はとくに戻りやすいです
永久歯がだいぶ生えてきたのにまだ乳歯が抜けない場合は、早めに乳歯を抜かないと元に戻すことが大変になります。
まとめ
今回は、「乳歯が抜ける前に、永久歯が生えてきてしまった場合の対処法」について解説しました。
永久歯が変なところから生えてきた場合は、医師とよく相談したうえ、今後の対処方法を決めていきましょう!
もし、医師の判断に納得がいかない場合は、セカンドオピニオンの受診を考えるのもOKです。
他の医師の見解を踏まえつつ、あなたとお子様が納得した治療法を選ぶことが大切になります。
歯並びが悪くなってしまわないか不安な方は、矯正歯科医院を受診することをおすすめします。

とにかく、常にお子さんの歯の具合を確認してあげましょう☆
遺伝によって、あごがもともと小さい子もいれば、永久歯が比較的大きく生えてくる子もいます。
そういった場合は、生え変わりで内側や外側に生えてきやすくなることがあります。